薩摩焼窯元、十四代沈寿官さんが死去 92歳
日韓交流にも尽力
薩摩焼の窯元で、陶芸を通じた日韓文化交流にも貢献した十四代沈寿官(ちん・じゅかん、本名=大迫恵吉=おおさこ・けいきち)さんが6月16日、死去した。92歳だった。

豊臣秀吉の朝鮮出兵で薩摩に連れてこられた陶工の末裔(まつえい)。1964年に十四代を襲名し、伝統的な技法を生かした白薩摩や黒薩摩の作品などを幅広く手掛けた。日韓文化交流にも尽力し、89年には日本で初の韓国名誉総領事に就任した。陶工の歴史を描いた司馬遼太郎の小説「故郷忘じがたく候」のモデルとしても知られた。
99年に長男の一輝さんが十五代を襲名した。