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【AWS】話題のKiroのルールファイル適用やアーキ図から実装など注目機能を試してみた【KIRO】

Last updated at Posted at 2025-07-15

はじめに

日本時間2025年7月15日、 Agentic IDEのKiroのPreview版が一般公開されました。
SNSや技術ブログで話題になっていますが、私もどのようなツールなのか試してみました。

結論

この記事でやったこと

・AWSサービスを使用したAPI構成をAIに要求して、要件、設計、実装計画の立案、実装してもらった
・コーディング規約のルール系のファイルを含めて実装してもらった
・アーキテクチャ図から実装計画作成、差分表示など、目立つ機能を試した

感想

・マジすげぇ
・めちゃ使いやすい
・待つ時間がヒマ(他の作業ができる)
・アーキテクチャ図から仕様書や実装できるのは感動
・のちの記事でもっと深堀したい

仕様駆動開発(spec-driven development)

Kiroの特徴的な機能の一つにSPECがあります
AIと対話しながらのこれまでのVibeコーディングと異なり、
AIに構築したいシステムの内容を伝えると、AIはコーディングを始める前に要件を整理し、設計し、実装の計画を立ててから開発を始めます。

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Spec 試してみた

試しに以下のようなAPIシステムを構成する要求をAIに伝えました

Amazon API Gateway、AWS Lambda、Amazon S3を利用したAPIの構成を作ってください
詳細は以下のような内容です
1.AWS Lambdaについて
・TypeScriptを使用して関数を実装してください
・Amazon S3にあるCSVファイルをAmazon API Gatewayからの呼び出し時の結果として返すプログラムにしてください
2.Amazon S3について
・S3バケット内のファイルにはインターネットから直接アクセスできないようにしてください
3.その他
・CloudFormationテンプレートでデプロイできるようにしてください
・CloudFormationテンプレートはYAML形式で定義してください

要求の結果、要件書(requirements.md)、設計書(design.md)、実装計画書(tasks.md)の3つの資料を順番に生成してくれました
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★最初に英語でチャットの返信と成果物を生成しますが、途中で日本語にしてもらうこともできます
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要件書(requirements.md)

要件書には要件と受け入れ基準が記載されています
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設計書(design.md)

設計書にはシステム構成図、データフロー、エラーケース、テスト戦略、セキュリティ考慮事項などが記載されています。
構成図は四角と文字の簡素な図ですが、AWS Diagram MCP Serverなどを使うことでAWSサービスアイコンを使った構成図を別途作ることができるはずです(KiroではなくMCPサーバーの使い方の話になるのでここでは省略します)

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実装計画書(tasks.md)

実装計画書にはコーディングやテストコード作成、テスト実行などの実装の開始から完了までの手順が記載されています。この後の手順で実装をお願いすると、この手順を順番に実行して要求したシステムを構築してくれます。
実装計画の各工程には、関連する要件番号が記載されていて要件の実現漏れがないかの確認ができます。

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ドキュメント作成までの感想

少し前の記事でAmazonQDeveloper in GitHubについて紹介しましたが。GitHubの方は同じように要求を伝えると、そのまま一気にアプリケーション作成まで行い、結果が出るまでどのようなものができるかわかりませんでした。このKiroでは実装開始前に実装計画ができるので、実装前に想定通りのものができそうか確認でき、過不足あれば修正しながら実装を進められるのがいいなと思いました。

実験:独自のコーディング規約を含めて実装内容のコーディング規約チェックを工程に含められるか

AmazonQDeveloperではコーディング時に参照するルールをAIに共有してコーディングしてもらうことができましたが。同じようなことができるか試してみます。
ここではコーディング規約(mdファイル)を準備してKiroに取り込み、それを基にコーディング規約チェックをしてもらう工程を追加してもらいます

コーディング規約
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何となく以下のようなボタンからルールファイルを取り込めそうですが、分からなかったのでチャットで依頼しました
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↓依頼文章

すでに作成済みのコーディング規約をプロジェクトに含めたいです。
また、そのコーディング規約に従ってLambda関数のコーディングを行い
Lambda関数の実装完了時にコーディング規約通りに実装されているか検証する工程を追加したいです。

実装計画にコーディング規約に関する作業が割り振られました
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実装計画を開始する

実装計画を開始するには、実装計画のStart taskをクリックします
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実行計画がスタートすると Task in progressという文字と現在どこのステップの作業中かの表示がされます
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同時にチャット欄ではより詳細な作業状況を確認できます
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何かインストールコマンドなどを実行する際にはチャット欄で実行許可を求められるので内容を確認して実行してください
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Steering機能

独自のコーディング規約のファイルをTASK1の途中でアプロードする認識でしたが、AIから求められなかったので
アップロードの仕方をAIに聞くと、Steering機能を紹介されました。
steeringフォルダ内に規約をアップロードすればそのルールでコーディングしてくれるらしい。
コーディング規約以外のガイドラインやチーム規約も参照してくれるらしい
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ルールファイルを配置するフォルダ作成を依頼するといろいろルールファイルを作成してくれた
独自のルールがある場合は作成されたファイルの内容を書き換えるとよいと思います

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コーディング規約以外にもベストプラクティスに関するファイルもありました
LambdaやS3などのこのプロジェクトで使用する各サービスのベストプラクティスの他、一般的なセキュリティに関するベストプラクティスに関する記載もされていました。
例えばWell-ArchitectedFrameworkのガイドラインなどを渡すと、それに従った構成にしてくれるかもしれません。
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タスクの続き

途中でチャットのやり取りが挟まりましたが、タスクの続きを行う際には
実装計画の次のタスクのStart taskをクリックすれば続きのタスクをしてくれます

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タイムライン(差分確認)

タスクが進むにつれて成果物が段階的に更新されますが、変更履歴がタイムラインという形で残っており、差分を視覚的に確認することも可能です
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あとは繰り返し

この後の作業はタスクの実行をポチポチ進める内容になります。
他の方のブログ等で完成まで紹介されているものがありますのでご参照ください
私もまだ深堀した内容を試したいので、別でいろいろ試した結果を投稿します。

チャット欄の謎のボタン:アーキテクチャ図から実装計画作成

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チャット欄には画像のアイコンのような謎のボタンがあります。製品ページを見るとアーキテクチャ図を基に実装を行うようなことが書かれているので試してみます。
試しに以下のURLのAWSドキュメントで紹介されている構成図で試してみます。

最初の画面のチャットで画像を渡してみます
画像だけでは実行ができなかったので、文章で図の構成の作成を要求してみます
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結果、今までの検証と同じく要件書、設計書、実装計画が作成されました
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アーキテクチャ図から実装計画作成の感想

すごい。アーキテクチャ図さえできれば、その仕様書と実装計画、実装までできるのは夢の効率化。
革命的な感動。

AWS以外のシステム構築

AWS以外のシステム構築も可能です。
電卓アプリを作っていみましたが、テスト実行時にモック画面とテスト結果をブラウザに表示してくれるなどしてみていて1つ1つの実行計画が進むのを視覚的にわかりやすく進められて楽しかったです。

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Kiroの課題

KiroはAIモデルを利用している都合上か、トラフィックが集中すると作業が止まるようです。
時間がたった後でリトライすれば正常に動くようですが、実装計画に従ってオートパイロットで動いているAIが動きを止めてしまうと実装が完全に止まるのでかなり困ります。
実装を止めないようにするには人が手動で実装を行う必要が出てきたり、作業の質や一貫性のリスクを承知で他のAIサービスに頼る必要が出るなど
AIモデルアクセスが作業の途中で止まった場合の対策も検討が必要かもしれません

↓エラーが起こった時の画面キャプチャ

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