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はじめに

こんにちは、おでこ。と申します🍢
元薬剤師で、現在はフロントエンドエンジニアとして働いています。

私は薬剤師として2年半調剤薬局で勤務したのち、2023年9月にプログラミング未経験からエンジニアに転職しました。そのときの体験談は、以下の記事で紹介しています。

この度、社会人として2度目の転職を経験し、年収は未経験でエンジニア転職したときから約1.7倍に増加しました。

エンジニア歴はまだ2年未満ですが、今回の転職活動を通して、ありがたい評価をいただくことができました。

この記事では、私がどのようにキャリアを積み上げてきたのか、そして転職活動において評価されたポイントや具体的な取り組みについて紹介します。

私と同じように、若手エンジニアとして転職や年収アップを目指している方の参考になれば嬉しいです。

先にこの記事で伝えたいことをまとめます。

  • 「周りと違うこと」 に取り組むことで市場価値を高めれば、年収アップしやすい
  • 特に、アウトプットとOSS活動は市場で評価されやすい
  • 迷ったらカジュアル面談で話を聞いてみると、自己分析しやすい

私が取り組んできたこと

実務で経験したこと

私が最初に入社したのは、Web系のToB SaaS企業でした。ここでは、React/TypeScriptを用いたWebアプリケーション開発や、React Nativeによるスマホアプリ開発に携わりました。

入社後半年間のOJT研修については、以下の記事で詳しく紹介しています。

研修を終えてからは、要件定義から設計、他部署との調整、実装、レビューまで、開発業務を一通り担当しました。

その中でも、私のキャリア観を大きく変えるきっかけとなったのが、2度にわたってフロントエンド開発チームのリーダーを任せていただいた経験です。

この2つのプロジェクトを通じて、私は一人で黙々と開発するよりも、チームで力を合わせてプロダクトを作り上げていく過程に楽しさを感じるタイプだと気づきました。特に、チームを率いて進行をリードする立場にやりがいを感じ、「将来的にもマネジメントに携わっていきたい」 という明確な思いが芽生えました。

初めてのフロントエンド開発リーダー経験

入社して1年3ヶ月の頃、ビジネスサイドから大規模な新規機能を1ヶ月以内にリリースしてほしいという要請がありました。

フロントエンドは私含め2人体制で、もう1人のメンバーはエンジニア歴は長いものの、入社間もない方でした。私はタスクの緊急度・難易度・工数を整理したうえで、「自分は実装よりも全体の進行や調整に集中した方が良い」と判断し、プロジェクトの進行管理を引き受けることにしました。

「どうすればチームとして最も早くユーザーにプロダクトを届けられるか?」 を考え、以下のような工夫を行いました。

  1. 開発のスムーズな進行を支援

    • 毎日10分の進捗共有を実施し、タスクの偏りを最小化
    • ビジネスサイドと協議の上、影響の小さい要件を後回しにし、優先度の高い機能に集中
  2. リソース不足を察知し、チーム体制を調整

    • 中盤でスケジュール遅延のリスクを察知し、上司に増員を提案。3人体制へ移行
    • タスクの割り振りを見直し、開発スピードを向上

結果として、期限内にリリースすることができました。
この経験を通じて、チームで協力しながら開発する楽しさと、リーダーとしてプロジェクトを前に進めるやりがいを実感できました。

2回目のフロントエンド開発リーダー経験

その2ヶ月後に、追加開発が決まりました。このときは、最初からフロントエンドリーダーとしてアサインされ、要件調整・設計・タスクアサイン・進捗管理といったマネジメント全般を任されました。

1回目の経験で「複数人でのタスク分担の難しさ」が課題だったため、チームとして初めてGitHub Projectsを導入して、Issueベースでのタスク管理を行いました。これは後述のYamada UIのOSS活動で得た知見を、実務に応用した形です。タスクの進捗や担当者が一目で把握でき、チーム全体の流れや優先順位が明確になりました。

また、先輩にも遠慮せずタスクを依頼するという意識も持っていました。「チームの目標はリリースを成功させること」という共通認識を持ち、誰が相手でも必要なことは素直に頼る、という姿勢を大切にしました。

このプロジェクトも、チームで協力して成功を収めることができました。反省点も多々ありましたが、それ以上に大きな達成感を得ることができました。そして何より、「自分は将来マネジメントに携わりたい」 という方向性がはっきりと見えた、非常に貴重な経験でした。

経歴が短いにも関わらず、このような貴重な機会を与えてくださった前職の方々には心から感謝しています。前職での経験があったからこそ、エンジニアとして今後も働き続けたいと思えました。本当にありがとうございました。

さらなるレベルアップのために業務時間外で挑戦したこと

若手エンジニアとして年収アップを目指すなら、業務時間外での活動は必要不可欠だと考えています。いかに周囲のエンジニアと差別化し、「尖った存在」 になれるかが勝負です。

ここでは、私が業務時間外に行った3つの取り組みについてご紹介します。
全てを同時に進めるのではなく、「この期間は記事投稿を頑張る」といったように目標を決めて取り組みました。

アウトプットの継続

実務で得た知見を、Qiitaに定期的にアウトプットしてきました。この継続的な取り組みが、今回の転職活動でも高く評価されたように感じています。

主な実績は下記のとおりです。

  • Qiita Advent Calendar 2023 完走賞 受賞
  • Qiita Engineer Festa 2024 ハーフマラソン賞 受賞

アウトプットをするべき理由

アウトプットのメリットとして、技術記事を書くことで理解が深まるのはもちろんですが、私にとって最も大きな価値は 「優秀なエンジニアの方と繋がれること」 でした。

公開した記事に対して、コメントで指摘をいただいたり、補足情報を共有してもらえることが多々ありました。また、詳細は後述しますが、実際にアウトプットを通じて知り合ったエンジニアの方とのつながりが、新しい学びやキャリア形成にも繋がっていきました。

記事を公開したら、XなどのSNSで発信することも重要です。これにより、より多くのエンジニアの方に記事を読んでもらえる可能性が高まります。

どんな記事を書いたら良いか

転職を見据える上では、技術記事だけでなく、自分が実務で取り組んだ内容やキャリアへの考え方を棚卸する内容の記事を書くことをお勧めします。例えば以下のような記事です。

今回の転職活動では、私に興味をもってくださる企業ほど、面接官の方が事前に記事を読んでくださるケースがほとんどでした。職務経歴書には書ききれない業務の詳細や経験を掘り下げていただけたおかげで、限られた面接時間の中で、より深く自分を知ってもらうことができました。

また、職務経歴書を作成する際にもエピソードを抽出しやすくなるため、書いて損はないと思います。

アウトプットを継続するコツ

もちろん、日々の業務が忙しい中でアウトプットを続けるのはハードルが高いと感じるかもしれません。私の場合は以下のような工夫で継続しやすくしました。

忙しくてもアウトプットを継続するコツ

  • 業務中に「これは記事にしたい」と思ったことを、Notionに記録しておく
  • 週末などに時間をとって、生成AIを使って肉付けする
  • Qiitaのイベントに参加して、モチベーション維持する

特に、Qiitaのイベントへの参加がおすすめです。イベント内の企画を達成すると、プロフィールにバッジが残るため実績として可視化しやすく、さらに景品としてもらえるキーたんぬいぐるみなどが、ご褒美になります。(正直なところ、この景品がなかったら続けられなかったかもしれません、笑)

IMG_4475.jpg

客観的に「自分の現在地」を確認する

TechTrainを受講した話

OJT研修を終えてからは、設計から実装までを1人で任される業務も増え、入社当初と比べて自分自身の成長を感じられるようになっていました。

一方で、自社以外のエンジニアとはほとんど関わりがなかったので、自分の実力が社外で通用するのかわからないという不安がありました。

そこで、自分の現在地を客観的に確かめたい/さらなるスキルアップをしたいという目的で、TechTrainを受講しました。

TechTrainは、現場で働くエンジニアから直接フィードバックを受けられるプログラミングスクールです。プログラミング経験者が、さらなるスキルアップのために学ぶことができます。

結果、2ヶ月間でRank4(Junior Engineer: 自走力があり自社開発企業で十分活躍できる)に到達しました。

その後は学習の継続ができなかったのですが、この評価を通じて、「今の実務での学び方や進め方は大きくズレていない」という安心感を得ることができました。

「市場評価」は、学習の“物差し”になる

自分のスキルが市場でどう評価されるかを知ることは、単に転職活動のためではなく、これから何を学ぶべきかを決める「物差し」になると感じています。

私の場合、TechTrain内での評価を通じて、「Junior Engineerとして、実務レベルなら今のままでも戦えそう」→「ただし、より高度な技術力を身につけるには、実務外のインプットも必要そう」 といったように、今後の学習の方向性を明確にすることができました。

評価を受ける手段はなんでもいい(paizaのプログラミングスキルチェックなど)ので、自分の市場価値を知っておくのは、大切だと思います。

OSS参加

2024年8月から、日本発のUIライブラリー「Yamada UI」のMaintainerとして、開発・運営に携わっています。主な活動は、世界中のコントリビューターが作成したプルリクエストのレビューや、Issueへの対応です。最近では、v2.0の開発を進めており、reset.cssの更新や、コンポーネントの書き換えに取り組んでいます。

元々OSSという存在すら知りませんでしたが、Qiitaに投稿した記事がきっかけで、X上で開発者の山田さんに声をかけていただき、エンジニア歴11ヶ月のタイミングで参加することになりました。

OSS活動は直接的な金銭報酬が得られないため、モチベーションを維持するのが非常に難しいです。仕事やプライベートが忙しくなると、つい後回しになってしまいます。しかし、せっかく得られた貴重な機会だったので、「絶対に途中で諦めてたまるか」 という強い気持ちでくらいつきました。

この活動を続けることで、主に3つの大きなメリットがありました。

  1. 実務では学ぶことができない高レベル・最先端の技術に触れる機会
  2. 世界中のエンジニアと交流しながらものづくりを行う経験
  3. 向上心の高い若手エンジニアのコミュニティに所属できた

実務では学ぶことができない最先端の技術に触れる機会

Yamada UIは、世界中のどんな開発者が利用しても気持ちよく使えるように、また、どんな開発者がソースコードを触ってもミスが起きづらいように、といった様々な設計思想の上に成り立っています。実務では考えたことのないような視点や、見たこともないようなTypeScriptの使い方に触れることができます。

特に、Yamada UIに携わってからは、格段にレビュー力が向上したのを実感しています。さらに、「これだけ複雑なYamada UIのコードに触れているのだから、他のコードを見ても大抵は大丈夫だろう」という、不思議な自信まで身につけることができました。

世界中のエンジニアと交流しながらものづくりを行う経験

私があげたIssueに対して、海外の方がPull Requestを出してくれたことがありました。レビューも翻訳アプリを使いながら英語で返しています。顔もどこの誰かも分からない世界の誰かと、コードを通して繋がっていることを実感でき、とても不思議な気持ちになります。これは、実務ではなかなか味わうことのできない貴重な経験だと感じています。

向上心の高い若手エンジニアのコミュニティに所属できた

カンファレンスなどのオフラインイベントでは、Maintainer同士で集まって参加しています。会社以外のコミュニティがなく寂しいと感じていたので、オフ会のような形で交流ができてとても楽しいです。

若手エンジニアが市場で評価されるために大切なのは、 「周りのエンジニアと違うこと」 をやることだと実感しています。SNSを見ると、個人開発に取り組む方が大半に感じますが、OSS貢献は、ドキュメントの修正など難易度の低いIssueも存在するため、実は想像よりも簡単に実績を積むことができます。

「尖る」方法は様々ありますが、若手エンジニアでOSS活動に取り組んでいる方は珍しく、市場で評価されやすいため、個人的には最もコスパが高いと考えています。(ぜひYamada UIにコントリビュートしてみてくださいね!😎)

私の転職活動の記録

ここからは、私が実際に取り組んだ転職活動(2025年1月〜3月の3ヶ月間)について書いていきます。

キャリアとライフステージを見直すきっかけ

プライベートな話になりますが、入籍をきっかけに、自分のこれからのキャリアや働き方についてじっくり考えるタイミングがありました。将来的に出産や子育てといったライフイベントが起こることを想定したときに、「今の働き方で、長期的に無理なく続けていけるだろうか?」という不安を感じるようになりました。

とはいえ、2025年1月時点でのエンジニア歴は1年4ヶ月ほど。実務経験が短くても転職できるのか? という不安も正直ありました。

そこで、まずは本格的に応募するというより、「今の自分がどんな選択肢を持てるのか」を知るための情報収集として、転職サイトに登録してみることにしました。

最初の一歩は「情報収集」から

利用した転職サービス

今回利用したのは、FindyWAKE Careerの2つの転職サービスです。

実は、未経験エンジニアとして初めて転職活動をしたときは、エージェントに対してあまり良い印象を持っていませんでした。

ですが、今回の2社に関してはどちらもサポートがとても丁寧で、親身に寄り添ってくれたと感じています。特に、自分でも言語化できていなかったぼんやりとした思いや希望を、丁寧に引き出してくれたことが印象的でした。

そのおかげで、自分に本当に合った会社と出会うことができたと思っています。本当に感謝しています。

まずはカジュアル面談

結果として、3ヶ月間で約20社とカジュアル面談を行いました。

最初は「情報収集」のつもりで始めた面談でしたが、話を重ねていく中で、次第に「自分がどんな仕事をしたいのか」「今足りていないのは何か」など、自分を見つめ直す時間になっていきました。

カジュアル面談を通じて見えてきた理想の働き方

カジュアル面談を通じて見えてきたのは、「もっといろんな環境で成長したい」「技術の幅を広げたい」という気持ちです。徐々に考えが整理されていき、「こんな会社で働きたい」という転職の軸が明確になりました。

私が重視した転職軸

  • エンジニア10人以上の中〜大規模な開発チーム
  • 他部署や他職種と関わる機会がある
  • バックエンドにも挑戦できる環境
  • ユーザーの声をプロダクトに反映できる体制

私は、黙々と1人で開発するよりも、多様な職種やバックグラウンドの人と関わりながら、プロダクトをつくる過程が好きだと改めて気づきました。

また、前職でプロジェクトマネジメントに挑戦した経験から、説得力のある技術的な発言ができるようになりたい → そのためにバックエンドも理解したいという思いも芽生えました。

前職で、ユーザーの声を取り入れてプロダクトを作り上げていくことの大切さを学びました。できれば、エンジニアも直接お客さんの声を聞くことができる環境がいいと思っていました。

「辞める決断」ができた理由

あるカジュアル面談で、ベテランエンジニアの方に「転職すべきか悩んでいる」と相談したところ、こんな言葉をいただきました。

「その会社で“やり切った”と思えるなら辞めていい。でも“やり残した”と思うなら、辞めた後に絶対悔いが残るよ」

当時、自分がマネジメントしていたプロジェクトがありました。それを無事に完了させられたら、やり切ったと思えるかも...と考えていたところ、実際にプロジェクトを完遂し、大きな達成感とともに、「次に進みたい」という気持ちが自然と湧いてきました。

このタイミングなら悔いなく区切りがつけられる。そう思い、内定をいただけたら転職しようと決めました。

転職活動で評価されたポイント

選考を通じて、特に評価されたと感じたのは以下の2点です。

  • 技術記事やSNSでのアウトプットを継続していたこと
  • OSSにコントリビュートしていたこと

中でも、Yamada UIのMaintainerを務めていることは、「その実務歴でそこまで挑戦している方はなかなかいない」と、高く評価していただけました。

面接では、「どうして活動を始めたの?」「具体的にどんなことしてるの?」「OSSってハードル高くなかった?」など、興味を持って質問してくださる企業も多く、そういった会社は自分とフィーリングが合うと感じられたので、志望度も高まりました。

最終的な選択と成果

カジュアル面談を受けた企業の中から、自分の転職軸とマッチする3社の面接に進みました。
そしてありがたいことに、そのすべてから内定をいただくことができました。

最終的には、ライフステージが変わっても安心して働き続けられる環境があり、かつ、今後のキャリア形成にも良い影響を与えてくれそうな1社を選び、転職することを決めました。

その結果、年収は未経験からのエンジニア転職時から約1.7倍に増加しました。
エンジニア歴2年未満のキャリアとしては、本当にありがたい評価をいただけたと感じています。

転職活動を終えて感じたこと

今回の転職活動は、未経験でエンジニア転職をしたときとは全くの別物でした。一番の違いは、「自分には市場で通用する価値がある」と実感できたことです。
この自信がついたことで、選ばれる転職から自分で選ぶ転職へとマインドが変わりました。その分、「自分は何がしたいのか」「どんな環境がもっとも成長につながるのか」を丁寧に考え、最終的に1社を選びました。

実務経験が短くても、他の人がやっていないことに挑戦し続けていれば、市場で戦える
今回の転職を通して、それを身をもって実感しました。

私のように、最初は転職するつもりがなかったとしても、カジュアル面談を通じて「もっとこうしたい」という気持ちが芽生えることもあります。だからこそ、「まずは話を聞いてみる」だけでも十分価値があると感じています。それが、将来の選択肢や、自分自身の可能性を広げる第一歩になるかもしれません。

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