菩薩(衆生救済の実務者)
妖艶な姿で願いを叶える 如意輪観音
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空海、のちの弘法大師のことは誰でもご存知かと思いますが、
中国が唐と呼ばれている時、空海がその国に行き仏教を修行し、
その後日本に真言密教をもたらしたことは周知のことです。
で、その時、密教の教えと共に密教芸術の極地と言われるような仏像も
持ち帰っています。
その仏像が、大阪河内にある歓心時の如意輪観音といわれています。
この観音像は、右膝を立てて立膝スタイルにし、
右手で頬杖をついて座っいる姿をしており、
これは他には無い独特なポーズであり、この姿を輪王座と呼びます。
右手を頬にあて思惟(しゆい)といわれる物憂げにふけったスタイルは
どうやったら人々を苦しみから救えるかを模索している姿なのです。
しかし、そこにちょっとした違和感を感じます。
菩薩という神の存在であるにもかかわらず、
悩み考えなければ答えが出てこないという有り様は、おかしなものです。
私達人間からすれば、神は解決策といったものなど既にわかっている存在のはずです。
それなのに、思案している姿を表現しているのは
どこか滑稽であると同時に、神や仏とて決して万能ではなく
人と同じように、悩み苦しんだりしていることを示しているように感じます。
それゆえに、どことなく親近感をもち、
人を惹きつけるナンとも妖艶な雰囲気を漂わせています。
そのためか、如意輪観音は人の物質欲とくに金銀や
財宝といった宝を恵んでくれるとも言われてます。
そのほか、安産や長寿などにもご利益があるそうです。
つまり、誰もが生きていくのに欲しい望みを叶えてくれるということです。
欲しい望みを叶えたいと思われる方は、
まずは、如意輪観音にお頼みしてはいかがですか。
如意輪観音の代表的なものとして
室生寺や京都・醍醐寺の仏像があります。
一度、ご覧になってはいかがでしょう。
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【如意輪観音 像】 |
何でも意の如くなる観音様。 如意宝珠と輪宝が名前を表します。 |