インドの寺院の厨房の柱には、このマハー・カーラ・デーヴァが必ず祀られています。日本に大黒天信仰が |
伝わって、寺院の厨房や一般の家の台所に祀られたのは、これに由縁します。 |
大黒天信仰は中国にも伝わり、暗黒の神であるところから大黒と訳され、寺院の厨房の柱に祀られました。 |
食料を司り守る神とされ、福の神的性格が現れてきますと、さらに「性愛三宝護持」の神とされ、性愛によっ |
て増殖至福を司り、三宝すなわち佛法僧を護持する善神と見られるようになってきました。 |
日本では、大黒の音が、日本神話に出てくる大国主命の音読みに共通しますので、本地垂迩説による習合に |
よって、大国主命と同一視され、したがって日本における大黒天像は、日本的頭巾に狩衣姿で表現され、大き |
な宝の袋を左の肩に担い、右手に何でも願いの叶う打ち出の小槌を持たれた姿が定着しています。 |
そして、密教では、毘慮遮郡仏の化身として降魔の神ともされ、また自在の神通力を持ち人の(いのち)の終 |
わる時を六ヶ月前に知りその肝を食らうと言われる、荼吉尼天を降伏させる仏神と言われており、延命長寿を |
かなえてくれる神とされています。 |